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【歌ってみたmix】Arturia 『Bus PEAK』(クリッパー/リミッター)

使用するコンプの種類によっては突発的なピークを捉えきれず、音量感のバラツキを感じたり、音圧を稼ぎにくい場面があります。


クリッパーは、このような突発的なピークを抑えて全体の音量感を整えたり、リミッターで音圧を稼ぐ最適な状態に整えることができます。


今回紹介するArturia 『Bus PEAK』は、視認性と操作性が優れ、自然な処理がしやすいおすすめのプラグインです。



  1. Bus PEAK とは

フランスのメーカーArturiaが2024年に開発したリミッター/クリッパープラグインです。Arturiaの多くのプラグインはクラシックなハードウェアエフェクトやシンセサイザーをエミュレートしていますが、Bus PEAKは完全にオリジナルの設計です。


クリッパーとリミッターを直列搭載しているため、クリッパーで突発的なピークを先に抑え、リミッターに最適な状態を整えてから仕上げるという2段構えの処理が1つのプラグインで完結します。クリッパーとリミッターのどちらか片方だけをオンにして使うことも可能です。


Arturia 『Bus PEAK』は、以下のような幅広い用途で活用できます。


  • マスタリング

  • アルバムやプレイリスト全体のラウドネス統一

  • ストリーミングプラットフォーム向け最適化

  • バスコンプレッサー風の「グルー」(まとまり感)効果

  • トラックのラウドネス最大化

  • 高域にエアー感を追加

  • ダイナミックEQ

  • 意図的に潰されたサウンドの演出


音声編集ソフトのインターフェース。波形とゲインリダクションのグラフ、dB値、ツマミ、スライダーなどが表示。ダークカラー。


  1. 主な特徴とパラメーター

    Tone Control

    クリッパーの前段に配置された、Bass(低域)とTreble(高域)のダイナミック・シェルビングリミッター。指定した周波数帯域の音量が一定以上になったときだけ自動的に抑えてくれます。


    Threshold:各帯域のかかり始めるレベル

    Gain:各帯域のEQゲインを調整

    Freq:BassとTrebleの境界周波数(デフォルトはBass: 150Hz、Treble: 5.0kHz)


    黒い画面に音量調整のインターフェース。青いバーと数値でBASSとTREBLEのゲインが表示され、-7.0dBと-9.8dBの調整。

    Clipper

    突発的なピークをカットしてヘッドルーム( 0 dBFSまでの余裕)を確保する機能。


    Threshold:クリッピングが始まるレベル。下げるほど強くかかります

    Knee:処理カーブの硬さ。Autoにすると、有名なアナログ・デジタルコンバーターLavry Goldの挙動を再現した自然なクリッピングが得られます。Infinityにすると、人気プラグインOxford Inflatorの膨らむようなカーブを再現します。

    Character:尖った設定にすると明るくクリアな音、丸い設定にすると温かみのある音に

    ※Kneeを高く、Characterを低く設定すると、暗く密度感のある、色付けの強いリミッティングを作ることができます。

    黒い背景に、紫色の文字で「CLIPPER」「Inf dB」「Knee」「Character」と表示されている。シンプルでクールなデザイン。

    Limiter

    クリッパーの後段で残ったピークを制御し、最終的な音圧を整えます。


    Threshold:リミッティングが始まるレベル

    Character

    0%:静的ルックアヘッド/リリース(最も予測可能)

    50%:動的ルックアヘッド/リリース(素材追従型)

    50%超:トランジェントは抑えつつアタックタイムが長くなる

    Release:リミッティングが解除されるまでの時間(0〜2,000ms)。短いと音量感が増しますが歪みやすく、長いとクリーンですがポンピング(不自然な音量変化)が起きやすくなりますできます。


    LIMITERと文字表示。CharacterとReleaseがあり、下に50.0msと書かれている。黒地に青色文字で、デジタル機器の設定画面の一部。

    クオリティ設定

    Tracking:低レイテンシー/低CPU

    Mixing:高品質

    Mastering:さらに高品質/高CPU

    Render:最高品質/オフラインレンダリング専用 ※ Equal Loudnessはバイパスを組み合わせて比較用に使用してください。常時ONは非推奨です。

    品質設定メニューが表示されており、「Mixing」にチェックが入っている。その他の選択肢には「Tracking」「Mastering」「Render」がある。



  1. おすすめの設定方法

    ① プリセット「Sonnox Inflator」を選択する

    クリッパーのKneeをInfinityにすることで、Sonnoxの人気プラグインInflatorを再現することができます。ピークを自然に捉えてくれるので重宝しています。


    ② クリッパーのThresholdを調整し、ピークを抑える

    ClipperのThresholdを下げ、画面中央のビジュアライザーで紫色の部分(除去されたピーク)を確認しながら調整します。ゲインリダクションが1〜3dB程度に収まるのが目安です。


    ③ リミッターで仕上げる(必要に応じて)

    さらに音圧を稼ぎたい場合はThresholdを下げて調整しましょう。


    ④ Deltaで削られた音を確認する(必要に応じて)

    クリッパー・リミッター上のヘッドフォンアイコンをクリックすると、処理によって除去された音だけを聴けます。ここに大事な音が多く聴こえる場合は、処理が強すぎるサインです。


  1. おすすめポイント

    クリッパーの音質が透明でナチュラル

    私が一番気に入っているポイントです。ボーカルトラックやマスタートラックにかけても、音の質感をほとんど変えずに突発的なピークだけをきれいに除去してくれるところです。他のクリッパーは、やや音が歪みやすい印象があります。


    ビジュアライザーで処理量が一目でわかる

    画面中央のビジュアライザーが、クリッパーで除去されたピーク(紫色)とリミッターのゲインリダクションをリアルタイムで色分け表示してくれます。「どのくらいかかっているか」が視覚的にわかるので、かけすぎを防ぎやすいです。このビジュアライザーの見やすさは非常に役立つと思います。


    シンプルな操作性と、精密なコントロールを両立した設計

    クリッパーはThreshold、Knee、Character、リミッターはThreshold、Character、Releaseと、主要なパラメーターが最小限に抑えられており、初心者でも直感的に操作できます。 一方で、Tone Controlやエンジンの詳細設定など、音作りにこだわりたい人向けの調整項目も用意されています。 基本はシンプルで、必要に応じて深く調整できるため、あらゆるレベルのユーザーが長く使い続けられるプラグインです。


  1. まとめ

Arturia 『Bus PEAK』は、クリッパーとリミッターを一体化し、簡単な操作で高品質の処理を実現するプラグインです。ボーカルの突然のピーク処理から、マスタートラックの最終調整まで多様な用途で活用できます。


定価は16,000円前後ですが、セール時には半額近くまで下がることもあります。セール頻度は年に数回しかないので、かなり低めです。またFX Collectionにも含まれているので、他のArturiaエフェクトもまとめて欲しい方はそちらもチェックしてみてください。


当Xアカウントでは歌ってみたのmixに役立つセール情報を随時発信しています。Arturia Bus PEAKのセール情報も発信しますので、ぜひフォローしてチェックしてください。







 
 
 

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